とりわけ十数人が一斉にしゃべる会議では、議論が白熱してくるともう聞き取れません。そんなとき私はいつも、スポーツの試合さながらにタイムを要求していました。一旦中断してもらって、誰が反対で誰が賛成なのかだけでも確認する。毎回それをやるものだから、私の名前にちなんで「ノリオタイム」と名付けられたほどです。

中年になってから英語を始めるなら、リスニングはある程度捨てて、読むことに集中すべきです。英語が聞き取れないというのは、つまりアルファベットが耳に入ってこない状態なわけでしょう。しかし「読む」のなら、アルファベットは必ず目に入ってきます。読んで理解できれば、それは完璧に聞けたのと同じことです。ただし

「読む=和訳する」ではありません。文の頭から終わりまで後戻りせずに、目に入ってくる順序で“英語のまま”理解する。これが「英語を読む」ということです。

【Q】グーグルから画期的な自動翻訳機が出そうで、やる気がなくなる

【A】もちろん翻訳機は出ます。今グーグルはグーグルグラスなどウェアラブルなデバイスを開発中ですが、次はインプランタブルなものになるはずです。つまり歯や耳などに翻訳機を埋め込んでしまう。便利でしょうね。しかし実現するのはおそらく20~30年後。初めのうちは目の玉が飛び出るほどの価格で、しかも機能は不完全。自分が話せるようになるほうがいいと思いませんか。

(長山清子=構成 澁谷高晴=撮影)
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