原因不明の娘の咳とチック症

母親の病気のことを話しても、娘は普段どおり明るく元気で、学校生活も楽しんでいました。まずはホッとしたのですが、しばらくすると、娘がよく咳をするようになったのです。クリニックに連れていったのですが、風邪ではなく原因は不明で、喉が敏感なのではないか、という診断でした。そのため、しばらく様子を見ることになったのです。

部屋の掃除が行き届いていないのが原因かと思い、部屋をきれいに掃除したのですが、それでも娘の咳は止まりませんでした。瞬きもよくするようになっていたので、何かのアレルギーかもしれないと思って、耳鼻科にも連れていったのですが、異常はありませんでした。

いろいろと調べていくうちに、どうやらチック症の可能性が高いように思えました。担任の先生にも学校での娘の様子を聞いてみたのですが、積極性があり、勉強も頑張っており、友達とも楽しくやっているとのことだったため、そのうち治まるのではないかと思いました。

その後、娘のチック症は軽くはなりましたが治まることはなく、これまでに咳や瞬き以外の症状も出て、心配は続いています。ただ、気難しいところはなく、毎日楽しそうに過ごしています。私に似て勉強は嫌いですが、成績に問題はなく、「しっかりしていて、クラスのまとめ役的なところがある」と担任の先生から評価されており、習い事のダンスにも夢中になっています。

住んでいるマンションの玄関ドアの斜め前にエレベーターがあるため、ドアを開けて娘が学校に行くのを毎日見送っているのですが、いつも娘はエレベーターに乗ると、能天気に両手を振って登校するくらい元気です。仲のいい友達ばかりと遊んだり、小学校5年生にしては親に甘えたりするところがありますが、素直に育ってくれているように思います。

平日、私が学校の行事に参加し、父親で来ているのが私だけのときは、娘に「ママばかり参加しているところに、パパが来たらイヤだよね」と聞いても、「私はパパが参加してくれるのがうれしいから、そんなことはない」と笑顔でいってくれます。

しかし、私と娘の2人で外食をすることになると、「家族全員じゃないと、楽しくない」といったように、何をするにしても、娘は家族全員が揃ってすることに、かなり強いこだわりをもっています。時には家族の大切さを娘に気づかされることがあるくらいです。これも母親の病気を意識してのことかもしれません。

このような娘の言葉は、気を遣っていってくれているとしても、こんなにうれしいことはありません。家族のために頑張ろう、と自然と力が湧いてきます。親バカではありますが、娘のやさしさが身に沁みるのです。