中高生の子どもをぎゅっとハグする!
(3)中高生でも「大好きだよ」とぎゅっと抱きしめる
親の側にも絶対必要なIメッセージがあります。それが「大好きだよ」です。先の「抱っこ」と合わせて、ぎゅっと抱きしめて言えたら、効果倍増です。真面目にやるのが照れくさいなら、ちょっとふざけながらでもいいです。
幼児や小学生だけでなく、中学生でも、何なら高校生でもやるとよいでしょう。「気持ち悪いなぁ!」とか言いながら、内心喜んでいるものです(ただし抱きしめるのは、特に母親向きの手法です。思春期の娘に父親がやるのは本気で嫌がられる可能性があるので、実施の際は関係性を考慮した上での自己責任でお願いします)。
親に大好きと言われて、嫌なはずがありません。
ただ、注意点が1つあります。「大好き」が無条件であることです。「○○するから大好き」ではダメです(それを「条件付き肯定」という)。存在そのものを無条件で全肯定します。何はなくともあなたが大切というメッセージを伝えます。それが、子どもにとって、何よりも強力な心の支えになります。
中高生にもなれば、塾に部活にと忙しくなり、子どもが家にいる時間は急激に減ります。我が家がリラックスの場でなくなれば、寄りつかなくなります。代わりに外の刺激を求めて、外泊するようにもなるかもしれません。温かく、ゆったりとした空気が流れる我が家、自分を受け容れてくれる我が家であれば、自然に帰ってきたくなります。
別の事情として、例えば母子家庭で親が夜勤をしている場合、家に誰もいない場合があります。私自身が、そうでした。
しかし、親に愛されている感覚があれば、誰もいなくとも、安心する我が家に帰るものです。そのためには、言葉やスキンシップなどの具体的な形で伝える必要があります。親子間といえど、「以心伝心」とはいかないもので、努力が必要です。
その空気を演出するためのキーワードが「大好きだよ」です。親に心から愛されている感覚は、健全な自尊心を生み出します。これは、他の何を差し置いても最も大切です。
以上、子どもへの接し方をお伝えしました。
要は、「建前でなく、本音を伝える」という1点に尽きます。俗っぽいかもしれませんが、やはり伝えるべくは「愛している」ということなのです。
愛しているなら、思いは伝えても思い通りにしようとしない。愛しているなら、甘えさせても甘やかさない。
思い通りに動かすことも相手の要求通りに甘やかすことも、バランスの悪い両極端の行為であるとわかります。まずは本気・本音をきちんと伝えて、子どもの反応や変化についてはゆったりと楽しんで見守っていきたいものです。