「努力の自己満足」で人生終焉する気か
繰り返しますが、努力をすることはもちろん大切なことなのですが、目標なしの努力というのは、結局は、人に喜んでもらうこともできず、「努力の自己満足」で終わっていることが多いのではないでしょうか。
「お客さま第一」ということを言わない会社はないと思います。お客さまに喜んでいただくことは最優先事項です。ただ、このときもっとも重要なのは、評価のために仕事をしろというのではなく、評価されるぐらいの仕事や努力をしなければならないということ。
この考え方は、「幸せ」と「成功」という話と共通していると私は考えています。
「幸せ」というのは自分で決めるもので、自分が満足していれば幸せです。一方、「成功」とは他人・社会が決めるものだと私は思っています。
理想は、お客さま、働く仲間、そして社会からも十分に評価され、そして自分でも満足のいく人生を送ることですね。
自己満足で終わることなく「なれる最高の自分」を目指しながら、自分の生きる意義である「目的」や、周りの人や社会からの評価を含めた「目標」をしっかり持つことが大切だと思います。
1957年生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行入行。86年米ダートマス大学経営大学院でMBA取得。帰国後、経営戦略業務などに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役就任。96年小宮コンサルタンツ設立。企業経営の助言の他、講演や執筆も。最新著は『松下幸之助 パワーワード ―強いリーダーをつくる114の金言』(主婦の友社)、『小宮一慶の1分で読む!「日経新聞」最大活用術 2015年版』(日本経済新聞出版社)、『No1コンサルタントが教える 20代の後悔しない働き方』(青春出版社)、『一流に変わる仕事力』(中経出版)など。