介護「ぶっつけ本番」で泣く人の駆け込み寺
牧野さんによれば、ケアラーズカフェは実際に介護をしている人を対象にしているわけではなく、誰もが出入り自由のスペースだそうです。
「たとえば親御さんが健康に暮らしていても、遠く離れていたら心配ですよね。肉親でなくても大事な人の身を案じることはある。そうした心配する存在がいる人は誰もがケアラーなんです。ですから、ケアラーズカフェは各地にできて多くの人が気軽に立ち寄れるようになれば、介護で悩み孤立する人は少なくなるでしょうし、介護状況もよくなっていくと思うんです」
こうした活動を続けていれば人脈も拡がります。介護者が抱える問題を調査・研究し、支援の必要性を訴えている日本女子大家政学部教授の堀越栄子氏らと牧野さんは知り合い、2010年、日本ケアラー連盟の設立に参加したそうです。
「連盟では3年ほど前にケアラーズカフェの立ち上げ講座を行ないましたが、関心がとても高く、全国から150人を超える方が参加されました。現在あるのは20カ所ほどですが、増やしていく方策を考えているところです」
ケアラーズカフェとはどういう場なのか、次回は実際に行ってみた体験と介護者支援の現状について書こう思います。