バスプロを目指した部長時代

では、どうすれば幸せな気持ちでいられるか。それは仕事も遊びも全力投球すること。私のモットーは「ワーク・ハード、ライフ・ハード」です。余裕を残すより、いろんなことを全力でやっていると道が開けてくるし、何よりそのほうが楽しく取り組めます。

いつ、趣味や遊びに使う時間があるのかと尋ねられることがありますが、私の場合、何かに凝ると一生懸命時間をつくっちゃう。「時間がない」といっても、好きならいくらでも見つかるものです。

部長時代にはバスフィッシングに凝りに凝って、一時はプロになろうと考えたことがあります。トーナメントに勝てばプロになれるだろうとエントリーしたところ、ボートの免許がないと不利だとわかりました。沖に出て釣る人と、岸だけで釣る人では勝負にならないというわけです。

そこで日曜日にスクールに入って勉強し、筆記試験はクリアしたのですが、問題は平日の昼間に羽田沖で実施される実技試験でした。

「2時間ほど出かけてくるから」
「どこへ行くんですか?」
「ちょっと忙しいんだよ」

試験日は部下とそんなやり取りをして会場へ向かいました。もちろん、後から部下に本当のことを話しましたが(笑)。今なら会社に申告して半休を取ればよいのですが、当時はそういう時代だったのです。そんなふうにちょこちょこと時間を見つけて、好きなことをやっていました。

もちろん遊びだけでなく、家族との時間も大切です。私は毎朝、妻と一緒に散歩しています。40分くらいぶらぶらしながら「あれをしよう、これをしよう」と考える。これが私の健康法でもあります。

バスフィッシングに凝っていた頃は、よく妻とまだ小さかった子供を連れていきました。ボートの免許を持っていますから、相模湖などでボートを借りて湖に走り出すと、「カリブの海賊みたいだ」と子供が喜んでくれましたね。休日に家族と出かける機会は今もかなりあります。