グーグル、アップルと“ガチ”で戦う

──トヨタやホンダなど、従来の自動車メーカーはライバルになるのか。
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「自動運転技術」実用化を目指す主要プレーヤー(写真=ZMP)

【守安】現時点では、我々は既存メーカーのネックになるような規模ではない。むしろ、気にかけてもらえる存在になれたらうれしい。そうなれば、一緒に何かをやれる関係になれるのではないか。

──自動運転については、米グーグルやアップル、テスラモーターズなども研究開発を続けている。

【守安】“ガチの戦い”になると覚悟している。ただ、自動運転は社会的な制度や法律と深くかかわっているため、仮にアメリカで成功したとしても、そのまま日本に持ち込めばいいというわけではない。彼らが日本に進出するまでに、技術力も制度も先に整える必要があると考えている。

もちろん我々も、国内市場だけを見据えているわけではない。実際にシンガポールや中国、韓国などの政府、企業から様々なオファーを受けている。特にシンガポール政府は積極的で、「ぜひわが国でやってほしい。ASEANやインドへの進出も支援する」と熱心に声をかけてくれている。

日本政府も非常に積極的だ。近未来技術実証特区を設置して、その地域で実証実験などをできることになっており、非常にサポーティブな体制が整いつつある。

──無人タクシーがゲーム事業に代わる主力事業になるということか。

【守安】我々のビジネスの主軸は、あくまでもゲーム事業。そのうえで、中長期的な視点から、ゲームに匹敵するような事業をつくっていきたいと考え、育てているものの一つが自動車事業だ。

ゲーム事業は、いわゆるガラケー向けのブラウザゲームの利用が低下し、収益の押し下げ要因となっていたが、ここにきてスマホ用のアプリゲームでも複数のヒットが出ており、改善の兆しが見えてきた。そこに任天堂との資本・業務提携が3月にまとまり、いま社内も盛り上がっている。任天堂は世界でもトップのゲーム企業。やはりゲームクリエーターにとってその存在は大きく、現場の士気も高まっている。