出会って2カ月で合弁会社を設立

──5月に自動運転システムを開発するベンチャー企業ZMPと合弁会社「ロボットタクシー」の設立を発表した。どのように交渉を進めたか。

【守安】今年3月に中島宏執行役員(ロボットタクシー社長に就任)がZMPの谷口恒社長に会って話をし、3月末に私もお会いした。実際に自動運転車にも試乗し、その時点で、2社で新会社をつくって無人タクシー事業をやろうという方向性は固めた。それから細部を詰めていき、5月の発表に至った。

ZMPの技術は、国内はもちろん、海外からも注目を集めていて、その中で我々をパートナーに選んでいただけたのはうれしく思っている。我々はネットで様々なサービスを展開し、運営している。その実績が評価してもらえたのではないか。我々とはお互いの強みが補完関係にあり、シナジーが大きい業務提携になると考えている。

──今後について、具体的にどのようなプランを描いているか。

【守安】まだ、事務所をどこに置くかも決まっていないが、スタッフはDeNAとZMPの両社から派遣することになっている。実際は、自動車メーカーから車を仕入れ、ZMPが自動運転車に改造する。タクシーの場合は配車するためのアプリやカスタマーセンターが必要なので、その部分をDeNAが補っていくことになる。

自動運転の技術はまだ実証実験段階だが、走らせること自体は5年後には可能になるとみている。ただし、安全性や安定性など、実用的なレベルに至るまでにはいくつかハードルを越える必要があり、公道を走らせるには法律や制度も改正しなければならない。目標としては、2020年の東京五輪で、一部でもいいからサービスを提供できればと考えている。東京から世界へ、新たな技術を発信したい。