日本にとってベターな選択

これからの15年間で発電コストの構成割合が、想定外の変化をすることも考えられよう。世界経済の動向や発電設備を取り巻く技術的イノベーションに資本コストあるいは燃料コストは影響を受ける。気になるだけでも、ニューヨーク商品取引所の動きやアジア新興国での太陽光パネルの製造による価格変動などがある。もちろんそれは、プラス、マイナス両面に働くこともあるが、いずれにしてもコストは極めて重要なファクターだ。

と同時に、地球温暖化対策も無視するわけにはいかない。政府は30年までの温室効果ガス排出量を、2013年比で26%前後削減する新たな目標を打ち出した。そして、この数値を国際社会にも宣言したのである。再エネの順調な拡大、休止中の原発再稼働が前提となっている。だが、並大抵の努力では達成はむずかしいのが現状だ。

エネルギー政策の基本方針は、「S+3E」である。福島第一原発の事故を踏まえた安全確保(Safety)の「S」を大前提に、エネルギー安定供給(Energy security)と経済性(Economy)、環境保全(Environmental conservation)の3つの「E」の同時達成をめざすという考え方だ。日本が持続的に発展していくために、ベストは困難だとしても、ベターの答えは何かが求められている。

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