SNSの文章スタイルに要注意

メールの特徴は、送信者と受信者の1対1のコミュニケーションで、秘密性が極めて高いこと。比べて、近年圧倒的にシェアを伸ばしているのが、「フェイスブック」「ツイッター」「ライン」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)だ。

SNSにもメールのような機能はある。たとえば、フェイスブックであれば、メッセージ、ツイッターであれば、ダイレクトメッセージである。メールよりも気軽に使えることが特徴で、これらの機能では「いつもお世話になっております」などの儀礼を省くことが多いため、単刀直入に要件だけでやり取りできる。チーム間で短い連絡をする際はラインを使って「本日の作業は完了しました」と送り、全員が返事をしなくとも「既読」になるので手軽に確認し合えるといったメリットもあるようだ。

図を拡大
メールとSNS、文章はこれだけ変わる

短い言葉でやり取りできるのも、SNSが受けている理由のひとつ。SNSに慣れた人ほど、「メールは遅い」「めんどう」と困惑することも。

ただし、それぞれに利点とルールがあることを忘れてはならない。特にカジュアルなSNSの文章スタイルに慣れたまま、そのスタイルでビジネスメールを送らないよう注意。ツールに合わせた文章に慣れることが先決だ。

SNSを使えば、メールアドレスを知らなくても誰かとつながることも可能。日本ではビジネスでSNS利用を許可する企業はまだ少ないが、米国では、同プロジェクトの仲間のコミュニティ化や、個人プロファイルとして社内の適材を探しだすことにも利用されるほど。ビジネスで利用する際は、相手への心遣いなど、基本的なマナーを忘れないことが重要だ。

アドバイザー 田中淳子(たなか・じゅんこ)
グローバル ナレッジ ネットワーク(http://www.globalknowledge.co.jp/)で、年間1000人以上の人材育成に携わる。人材教育コンサルタント、産業カウンセラー。上智大学文学部卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、1996年より現職。
(事例作成、構成=戌亥真美)
関連記事
書き言葉、まずは「型どおり」から始める
イラつかせるメール、無視されるメール
そのメールが命取り! なぜか敵をつくる文、陰で笑われる文
トラブル発生! 「信頼回復できる」メール
お礼状――「紙、フォント、改行」のワザで個性を出せ