書き言葉は話し言葉と違ってあとに残ります。当たり前のことですが、メールになるとそれを忘れる人が多くなるようです。携帯メールだけでなくパソコンのメールでも、カジュアルな会話体で文章を書くことが近しさの表れと思い込んでいる人がいますが、そのメールが印刷されて他人の目に触れたとき、どう映るか考えておくべきでしょう。

ビジネスの相手にはある一定の距離を保って礼儀正しく接するべきです。個人的な親しさを文章で表現することは失礼になることもありますから、避けたほうが無難です。相手が自分と同じ笑いのセンスを持っているかどうかもわからないのに、下手なユーモアを使うのもケガのもとです。ビジネスの場では当事者だけでなく第三者に読まれても恥ずかしくない文章を書かなければなりません。これが第一の心がけです。

ビジネス文書には明確な目的があります。その目的を達するために何を伝えるのか、書き始める前にポイントを整理しておくことが大切です。ときどき主語と述語が一貫しない文章を見かけることがありますが、書きたい要素を整理せず、考えのおもむくまま、いきなり書き始めることが原因だと思います。

(構成=榑松ひとみ イメージ写真撮影=市来朋久)