ただ外国語が出来ればいいわけではい
【三宅】現在、TFGに登録しているガイドは何人くらいいらっしゃいますか。
【川本】約300人です。女性が7割くらいです。20代から80代までのガイドがおりますが、中心となっているのは30代~60代です。会社員が多いですが、主婦や退職者、学生の人たちも登録しています。
【三宅】ボランティアガイドの魅力はなんでしょうか。
【川本】いろいろな外国人との交流ができます。また、日本の良さを改めて気づく人が多いです。
【三宅】ガイドになるための試験があると聞きましたが、どのようなものですか。また、ガイドにはどのような資質が求められますか。
【川本】採用試験は、語学力を測る筆記と会話のテスト、それに日本語による面接です。なかでも、私たちは面接を最も重視しています。外国語の能力はもちろん必要なのですが、それよりもむしろ人柄が一番重要だと思っていますので。やはり初めて会う人ともすぐに打ち解けて仲良くなれる、というようなフレンドリーさは、ガイドに不可欠なものです。それから、空気が読める人が好ましい。相手が望んでいることをいち早く察して、「これをしてあげたら相手は喜ぶだろうな」と気づくかどうか。ハートの温かい人が適任です。
【三宅】日本の文化や日本に暮らす人々をより深く知ってもらう、日本での滞在を最大限楽しんでもらう、という重要な役割を担うのですから、ガイドはただ外国語ができればいいというわけではないのですね。
【川本】私たち日本人が海外に行ったとき、仲良くお話してもらったり、親切にしてもらったりすると、印象に残りますよね。
【三宅】それだけでもう、「この国に来てよかったな」と幸せな気持ちになりますね。
【川本】「いい国だ」と思いますよね。ですから、人柄がとりわけ重要なのです。採用試験の面接の際、「他の人の話を聞く」姿勢なども見ているのは、そのためです。他の人の発言をどのように聞いているか。にこやかに聞いているのか、そっぽ向いて聞いているのか。人柄が出る重要なポイントだと思います。
【三宅】私どもも教師の採用試験の面接や模擬授業などの際に、自分がテストされていないときの態度や姿勢を見ています。他の人が話しているときに、無表情だったり、無反応だったりすると、評価は下がります。