「占い」と「くじ引き」で、企業から内定

「占い」と「くじ引き」で内定

「『やりたいこと』という幻想」を一度手放し、運や偶発性を取りいれて「やわらかいキャリア」の入口をつくることを目指した「ベツルート」。2016年卒の学生向けサービスはこれからですが、とりあえずこの春に卒業するという学生向けのプレイベントを行ってみました。30名定員のところに、早大、明大、東大、阪大、横国大、京大など(申込者の多い順)、日本全国のさまざまな大学からおよそ200名の申込があり、急遽東京・大阪で増回しました。

初回のプレイベントは、都内の焼肉店を貸切にして開催。IT、広告、人材、商社、不動産など11社が参加しました。焼肉は企業側のおごりです。参加者の学生は、まず「これだけはやりたくないこと」を選択し、レバーを回してカプセルが出てくる「ガチャガチャ」と、プロ占い師の姓名判断によって一緒に焼肉を食べる企業(経営者)を決定。まぁとにかく初めてのことなので、参加企業も学生も、とりあえず楽しんでみようというゆるい感じでしたが、なんと当日その場で内定も出ました。

内定を出した企業の社長は、「会話して2分で内定を決めた。まさに当社が求める人材」とのこと。内定をもらった大学4年生の女性は「今までの就活は馴染めなかった。これが人生で始めての内定。会話して興味を持った会社だった」といってとても喜んでいました。このプレイベントから既に3人の内定が報告されていて、各企業による個別説明会やインターンシップもすすんでいるようです。

「ベツルート」のWEBサイトにも記載していますが、これは就職活動におけるマニアックな「別のルート」であり、これだけをあてにするのは危険です。占いを頼る人は世間にたくさんいますが、科学的根拠はありません。でも、このサービスをリリースした際のネット上の反応は、やたらと前向きなものばかりでした。批判的な意見がほとんどない。大事なのは、「こういうサービスもあっていい」ということだと思います。別に、世のすべての学生が占いやくじ引きだけで就職先を探すようになる必要はありません。

大切なのは、さまざまなサービスを自分なりに選んで活用していくバランス感覚だと思います。僕の狙いの一つは、これまであたりまえだった「これしかない」というサービスやシステムを、とことん“相対化”していくことです。

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