異業種間提携に突き進むのか?
コンビニは5万店を境に飽和状態になりつつあるといわれている。そのためこれまで大手のナショナルチェーンが中小零細のコンビニをグループ化し、全国統一が行われてきた。ところが大手コンビニが中小零細のコンビニをグループ化しているという形から異業種間の提携へと大きく変わろうとしている。
「コンビニというのは、もともと規制緩和の中で急成長していきました。酒の取扱いが規制されているときには酒屋を取り込んできました。今後コンビニとっては薬の取扱いが課題。そのためには登録販売者を育成していかなければならないが、そのためにはどうしてもドラックストアの力がいる。しかもローソンとツルハの提携ではもう一つ隠された意味がある。ツルハは北海道が拠点。北海道というのはコンビの激戦区。中でも地元のセイコーマートは1000店舗を超える圧倒的なシェアを持っている。ローソンはツルハとの提携でこの厳しい市場でシェアを伸ばすことができる。つまり一石二鳥の提携だといえる」(コンビニ業界関係者)
それだけではない。ツルハとの提携がうまくいけば全国のドラックストアとの提携の可能性が見えてくる。
ローソンが投げかけた一石は今後、コンビニ業界にどのような波紋を広げるのだろうか。業界3位のファミリーマートは地方のヒグチ産業、コクミン、メディカルシステムネットワークなど16社、32店舗のドラックストアと多角的な提携を結んでいる。
「うちはローソンなどとは違い地場に強いドラックストアと組んでいる。処方箋は別ですが、すでにレジの一体化も実現し、今後も拡大していく方針です。18年度末で1000店舗を目標にしている」(ファミリーマート広報担当者)
一方で業界最大手のセブン-イレブンは静観の姿勢を崩していない。ドラックストアとの本格提携はまだ行っていない。
「ドラックストアとの併設店は約20店舗あるが、ドラックストアと一緒になって一体型店舗を展開していくような戦略は考えていない。セブン-イレブンの業態の中でお客のニーズをつかみながら、掘り下げていく余地はまだまだあると考えている」(セブン&アイホールディングス広報担当者)
しかし、セブン-イレブンの持ち株会社であるセブン&アイホールディンスは08年に調剤薬局やドラッグストアを展開する業界大手のアインファーマシーズと資本業務提携を結び、いつでも本格的な一体型店舗の展開はできる体制になっている。
コンビニとドラックストアとの提携は今後、ローソン、ファミマが中心となりさらに活発化していくとみられている。果たしてドラッグストアとの異業種交流はどのような成果を見せるのか、注目されている。