「ミルク」の中で引き立つ「シルク」
「冷蔵セクションにそぐわない “シルク”という名称をつけ、あえて牛乳の隣に置くと、売上が3倍になりました。なぜ? 牛乳、牛乳、牛乳、牛乳、牛乳……牛乳じゃない。そのセクションを見ている人たちにとっては、それが目立ったんです」
この牛乳は、パッケージにその商品名「シルク」を大きく打ち出して、ほかの「ミルク」に挑んでいった。ある人は「どんな飲み物か?」と思いそこで手にとるだろうし、ある人はギャグだと笑うだろう。そこで携帯でパシャリとやってネットに写真や情報が流れると、うまくいけば拡散してその存在が知られるようになり、興味を持った人が探して購入するかもしれない。
「広告で売上を3倍にしたわけではありません。目立つことをして売上を3倍にしたんです」
作る・伝える側がより一層の個性を出すことで、勢いを持って情報が広がっていく。誰も気づかないような可もなく不可もない“平均”や“優等生”であるよりも、目立つことが、大きな力となるようだ。
そのときに大切なのは「“誰が”自分の意見、製品、発言に、一番興味を持っているかを知ること」である。「ぜひあなたの話を聞きたい」という人たちを探し当ててスポットを当て、その人たちに伝え、行動をしかけることだ。これで、物でも考えでも、あなたの提案を受け入れてもらえる可能性がグンと高まり、より大きな広がりが期待できるようになるだろう。
[脚注・参考資料]
Seth Godin, How to get your ideas to spread, TED , Feb 2003
http://www.ted.com/talks/seth_godin_on_sliced_bread