内閣改造をしない理由
「解散の有無」「公示日」「投票日」「(選挙序盤での)当落情勢」「選挙後の内閣改造なし」について明らかにしたところ、ものすごい反響をいただいた。評論家、メディアが指摘できなかったからだ。
「解散の有無」「公示日」「投票日」については http://president.jp/articles/-/14082 ですでに詳細を述べた。
「(選挙序盤での)当落情勢」では、私以外のあらゆるメディアが自公苦戦を予測し、私だけが自公圧勝を伝えていた。途中、野党の選挙区調整が進んだこと、さらにGDPの下方修正という予想外の指標が発表されたものの大勢に影響はなかった。極端な投票率低下が、想像以上に公明党、共産党の躍進を支えたのも言うまでもない。ただし、私にしてみれば、序盤情勢において、結果よりも優勢だった自民党が押し戻されたものとなっており、選挙戦での油断があったと考えるのが妥当だろう。
週刊誌の選挙予測は、編集部の意図を汲んだ誘導的なものになりがちで、今回もその方法論に変わりはなかった。毎日新聞や大手週刊誌が、安倍政権に負けてほしいという気持ちを持っていることが今回もよくわかった。政治ジャーナリストも日々の生活が大変なのはわかるが、ジャーナリストを名乗る以上、もう少し精度を上げるなり、矜持を持ってほしい。
「選挙後の内閣改造なし」も政権として当然の判断だ。もし、選挙という一番大きな禊が済んで、有権者からの信任を得ることができたにもかかわらず、選挙前の問題で大臣を更迭したとなれば、その人たちの政治生命はそこで終わってしまう。そうではなくて、問題が起きたにもかかわらず、総理大臣からさらなる信頼を寄せられたとあれば、その大臣たちは命がけで、安倍政権を守ろうとするだろう。「選挙後の内閣改造なし」は、人の道でもあると同時に、安倍政権をさらに強化する手段でもある。
選挙中に、「いまは歯を食いしばって生き残りますから、当選の暁にはぜひご指導ご鞭撻ください」という、ある意味、「当選したら、大臣にご推挙ください」という言葉の裏返しのようなお願いを、安倍総理以下、政権幹部が全国各地で受けていたと思うが、残念な結果になってしまったようだ(笑)。