アベノミクスへの「支持、継続、期待」
2015年の景気はどうなるのか。その動向を見る上で重要なのが新年の業界団体の賀詞交歓会。ここで主要企業のトップたちが一堂に会するからだ。その表情からその年の動向がうかがえる。
中でも日本の主要企業が集まる経済3団体(日本経団連、日本商工会議所、日本経済同友会)の新年賀詞交換会は首相も姿を現す日本の産業界の一大イベント。ここに現れた経営者たちの一挙手一投足が今後の日本経済の行方を占う重要なカギとなる。ではそこに集まった経営者たちはどのように感じているのか。
今年の経済3団体の新年賀詞交換会は赤坂にあるホテルニューオータニで行われ、会場には2000人近くの経営者たちが集まった。
冒頭、経団連会長の榊原定征は「昨年暮れの総選挙でも自民党・公明党の連立与党が3分の2の議席を確保しました。これは国民がアベノミクスをはじめとする安倍政権の政策を支持する、継続を求める、今後の成果を期待するという現れ。経済界としてもデフレ脱却、経済再生の取り組みを迅速かつ強力に推進する政治の体制が整えられたことを大いに歓迎する」と挨拶。「デフレ脱却と経済の好循環の2巡目をまわすために、積極経営を通じて、企業収益を拡大させる、設備投資、雇用の拡大につなげて、さらに賃金の拡大を図っていかなければならない。今年は政官民がそれぞれまなじりを決してデフレ脱却に取り組む、確実に実施する年にしなければならない」と激を飛ばした。
経営者たちは2015年の景気についてどう考えているのか。3団体、さらに同日行われた自動車工業団体の賀詞交歓会の会場に姿を現した経営者を直撃した。
●茂木友三郎 キッコーマン名誉会長
「楽観的かもしれませんが、よくなると思います。消費税増税後の消費の低迷も回復してくるでしょうし、おそらく4月には賃金が上がると思います。もし賃金が上がれば消費はより活性化される。株も乱高下していますが、今後上がってくる可能性がありますから、資産効果も期待できます。全体的に消費が良くなってくれば割合よくなってくると思います。ただ、経済の構造改革をどこまで進めてけるのか、というのが今年の大きな課題なのではないでしょうか」