リーダーに必要なのは、不安と不信感を拭い去ること
あるとき、空港で自分の番号が呼ばれる前に搭乗しようとした乗客を、ゲート係員がまるで法律を破った犯罪者のように扱って怒鳴り付けた。係員は「規則通りにやらないと問題になって、こっちがクビになりかねません」という。ここにあるのは不安であり、自分の上司に対する不信感だ。
リーダーに大切なのは、「不安をぬぐいさること」だとシネック氏は話す。
集団の中で安心できるようになると、自然な反応として生じるのが信頼と協力が生まれる。これによって、古くから存在する「眠る時でも部族の誰かが見張っていてくれる」という信頼感が生まれるだろう。
シネック氏は、企業の上層部が高額な給与やボーナスを受け取るとき、問題は金額ではなく自分の利益を守るために部下の犠牲もいとわない姿勢にあり、そこに腹を立てるのだとしている。彼らがリーダーシップの定義にそぐわず、社会的契約に反しているというわけだ。
「リーダーが、組織内の人々に安全な生活を与えることを優先するよう心がけ、自分たちの安楽や目先の利益を犠牲にして、人々が安心感と集団に属している実感を得られるようにすれば、素晴らしい結果が生まれます」
では、リーダーをタイプ別に見てみよう。