「ユニークな」クラス

【川端】I君に「先生からチョークをなげられたって窪田さんの本に書いてましたけど、先生は昔から怖かったんですね」って言われました。I君を教えていた頃の私はだいぶ優しくなっていたのよって言ったら、自分の時よりも怖かったなんて信じられないって言われてしまいました(笑)。

【窪田】先生のチョーク投げはコントロールがよかったですよね。何回か飛んできました。

【川端】今の時代にやっちゃうと大変なことになりますけど、昔はチョークを投げたり立たせたりしたものですよ。廊下に立たせるとその分授業から遅れてしまいますから、立たせるのは教室の中でしたけど。

【窪田】私も立たされたことってありました?

【川端】立たされるというより、しょっちゅう立ち上がっては勝手に歩き回っていましたよ(笑)。黒板に板書していると窪田君が歩き回っている気配がするんです。座っていられなかったのね。気がついたら教卓の横に立ってるの。「先生、先生、ここ教えて」って。今から説明するから座りなさいって注意をしても、いったん座ってすぐまた教卓の横に来るんですよ。板書しながら振り向くとやっぱり教壇の横に立ってるの。

窪田君も自由な子でしたけど、あのクラスはみんな個性的でした。干支は何だったかしら?

【窪田】1966年生まれなので、丙午です。出生数のグラフで激減している年です。

【川端】子どもが少ない年だったのね。それでみんな強くてたくましいのかしら。私が受け持つ時に、事前の申し送りで窪田君たちのクラスのことは聞いていたんですよ。男の子たちは自由、女の子たちは冷静・沈着。とにかくクラスの雰囲気はまとまらない、授業が進まないという申し送りでした。

【窪田】後にそういう申し送りがあったことを何かで知りました。私のクラスを担当していた先生が1学期の途中で辞めちゃったんですよね。それで 川端先生が来てくれた。