かつてソニーが「ウォークマン」で録音機能をつけず再生のみに絞って革命を起こしたように、徹底してユーザー目線に立ったモノづくりをするには、「組織から変わらなければ無理」と泉田氏は断言する。

大手メーカーの富士フイルムを退職し、家電ベンチャーを立ち上げたBsizeの八木啓太氏の言葉が印象的だった。「大手とベンチャーでは役割が違う。私たちの役割は“モルモット”と呼ばれた昔のソニーのように、市場を開拓していくことだと思っています」

「モノづくり立国日本」は、ごくごく小さなメーカーたちが再興していくのかもしれない。

【レイコップ創業者● リ・ソンジンの軌跡】

↓Turning Point↓
病院勤務時代 韓国で内科医として働く。アレルギー患者の急増に心を痛め、最大原因のダニを除去するふとんクリーナーのアイデアが生まれる


2000年 製品化のため経営を学ぶべく、アメリカに渡りMBAを取得
2002年 ジョンソン&ジョンソンに入社。プロダクトマネジャーを務める
2005年 J&Jを退職し帰国。父の会社で社内ベンチャーを立ち上げる
2007年 「レイコップ」1号機完成。各地で実演販売を行い、1000台中8割を売り上げる
2012年 日本で本格的に販売開始。徐々に口コミが広まる
2012年6月 レイコップ・ジャパンを設立
現在 日本で累計150万台、世界24カ国累計300万台を突破
(澁谷高晴=撮影)
関連記事
社員14名! 雑貨屋で“オシャレ女子”の心をつかむウィナーズ
ソニー赤字拡大! なぜソニーはかつての輝きを失ったのか
なぜ「3Dプリンター」で鋳造業界を革新できたのか
中小企業は、どう海外展開をスタートするべきか
なぜ起業家はみな「社会のため」と言うのか