プリン体ゼロの決め手は吸着材

「プリン体0.00×糖質0」でも本格的なうまさを実現した淡麗プラチナダブル

実際、淡麗アルファが発売された際には、多くの消費者から「ビールからプリン体をカットできるなんて、考えてもみないことでした!」とか「主人が痛風のせいで、大好きなビールを飲むことを諦めかけていました。ありがとうございます、これで主人も飲めます!」など数多くの感謝の声が寄せられた。

プリン体99%カットから、プリン体“0.00”を実現するには、決して容易な壁ではなかった。プリン体ゼロの発泡酒をつくるには、大別して2種類の方法がある。1つが、元々プリン体の少ない原料を使ってつくる「低プリン体原料製法」。そして、もう1つが、ビールと同じ原材料を使って発泡酒をつくり、そこからプリン体だけを取り除く「プリン体除去製法」である。

キリンビールは、淡麗アルファの開発時からキリン独自の製法として後者を採用しており、2005年には「プリン体カット製法」として世界初の特許技術を取得している。今回は、この技術にさらに磨き上げ、他社との差別化を図った。

田山氏は自信に満ちた表情で、この技術へのこだわりを語る。

「プリン体も糖質もゼロという高機能を実現する決め手は“吸着材”でした。複数のメーカーの製品を使い、200回以上の試験醸造を重ねました。その結果、淡麗Wとは違う、新たな吸着材を見つけた。プリン体を完全に除去しながら、うまみの成分はしっかりと残す。あくまでも“うまさ”にこだわるのが、キリンビールであり、そして淡麗ブランドとしての誇りですから」