「最後は味覚の勝負になる」

そのことは、なにより商品のネーミングが物語っている。サッポロ、アサヒ、サントリーが3社とも“ZERO”を商品名に入れている。それに対し、キリンは淡麗ブランドを尊重し、従来どおりパッケージデザインの中心に「淡麗」を置き、その下に「プリン体0.00、糖質ゼロ0」を表示。アルコール度数も、淡麗ブランドの価値である“飲みごたえ”を実現するために、やや高めの5.5%に設定した。開発当初、ゼロをつけた商品名の候補もあったというが、あえて、そうしなかった理由を田山所長はこう説明する。

「一時的な流れに乗ることは、必ずしも得策ではないと判断しました。淡麗というブランド名を冠にすることで、これまで発泡酒市場を牽引してきたという“うまさ”と“機能”への信頼感がよりお客様に伝わるのではないか? そしてさらに大事なことは、当初の混戦が一息つけば、最後は味覚の勝負になると考えました。そうなると、機能を前面に押し出したネーミングよりも、淡麗が極めた最上級の商品であることを押し出した方が良いのではないか? そんな議論が連日連夜、繰り広げられる中で生まれたネーミングがこの“淡麗プラチナダブル”です」

機能系発泡酒の選択肢が増えたことは、多くのビールファンにとって朗報であろう。痛風や尿酸値に悩まされている人はもちろん、健康を気にしている人にとっても今後さらに需要が高まることが予想される。

そんな中、発売から約1カ月が経つ現在も販売好調をキープする淡麗プラチナダブルは、この商品を通して新しいビールとの付き合い方を提案している。それは「自分の体のことを気にしながら、せっかく飲むなら安心してとことん“うまさ”に拘りたい」というすべてのビールファンへ向けた、キリンビールからのメッセージである。そんな“大人の飲み方”を、是非この一本で味わって欲しい。

(澁谷高晴=撮影)
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