なぜ引き落とし口座の一本化を嫌がるか
「一本化」とは、その名前の通り、自動引き落としのものを1人に集中させる方法だ。
たとえば、夫の収入がメインとすると、自動引き落としの項目はすべて夫の給料受取口座から差し引かれるようにする。それにより、「夫の給与振込口座-家族の支出」という一本化ができるため、記帳や残高照会をするだけで、一つでお金の出入りが確認できる。
家計としていくらの収入があり、いくら使って、いくら残っているのか……ということが簡単にスッキリする方法だが、実は、難点がある。
「自分の収入や貯蓄額を相手に知られたくない」と考える共働き夫婦が多いことだ(付け加えると、あくまでも自分の額を知られたくないだけで、相手の金額には興味は持っている)。だから、一本化をしぶる夫(妻)は少なくない。
こんな場合は「共通口座」をつくることだ。
共同口座といっても、実際に2人名義での銀行口座は作れないから、どちらかの名前で家計用の口座を作り、そこにそれぞれが必要な金額を入れる。
必要な金額としては、次の支出金額の合計を考える。
・住居費
・食費
・水道光熱費
・雑費
・通信費
・交通費
・教育費
・夫婦としての貯蓄(家族のレジャー費、冠婚葬祭費、老後資金、車、固定資産税など)
つまり、「家族としての支出」と「将来必要な貯蓄」はすべて共通口座で行い、趣味や個人的な楽しみのための貯蓄は本人の収入の範囲でやりくりするのだ。
たとえば、「家族としての支出」が月30万円、「夫婦としての貯蓄」が8万円だとする。この場合は、2人で1カ月38万円を共通口座にいれたらいいので、夫婦半々で19万円ずつでもいいし、夫が25万円、妻が13万円でもいい。