遺伝子には、未解明な分野が多い

認定遺伝カウンセラー
四元淳子氏

認定遺伝カウンセラーは、遺伝性疾患の患者やその家族に対し、遺伝に関連した臨床的な問題だけでなく、心理的、社会的な問題を含めてカウンセリングを行っています。

医療機関で行われる遺伝子検査では、検査を行うことによって疾患の原因を突き止め、治療法や管理のあり方を選択することが大きな目的になります。また正確性を期すために、繰り返し同じ検査をして精度を高めることが多いです。現在、診断目的の臨床的遺伝子検査として最も多く行われているのは、遺伝性の乳がんに対するものと思われます。国内の累計で1000件を超えています。

これに対して医療機関以外で行われるゲノム解析サービスは、何を目的にした検査でなぜその遺伝子を調べるのか、どのような手法で解析するのかなど、十分な根拠や情報を公開しているところはあまり多くないように見えます。ただし適切な検査によって得られた結果から何らかのアクションにつながることはいいと思うので、単に解析するだけでなく、ユーザーに役立つような情報やフォローを希望しています。

遺伝子というと「絶対的なもの」というイメージがありますが、その働きや個人差については未解明なところも多くあります。「これは確かだ」と言えるほどにわかっていることは、本当に限られています。

正しい知識や理解の普及のためにも、DTCサービス会社との協力は今後必要だと考えています。業務内容や企業姿勢を精査したうえで、認定遺伝カウンセラーがサービス会社に協力することも必要になるでしょう。