次に家族みんなに家庭の仕事を割り振り、それぞれが責任をもって家計の改善に取り組んでいきます。例えば、長男くんには「お風呂」を担当してもらうことにしましょうか。突然お風呂回りのすべてを任されて、最初は戸惑う長男くんですが、お母さんやお姉ちゃんの助言も受けながら、だんだんコスト意識が身についてきました。今やシャンプーや石鹸の特売に出かけ、家族の生活サイクルに合わせて湯船にお湯を張るまで徹底しています。夜遅くにお風呂に入るお父さんに「同じ時間帯に入らないとコストがかかる」と注意をするぐらいになれば最高ですね。

再建計画開始から30日が経過。では、1カ月の総決算として家族会議を開きましょう。日々の積み重ね+家族会議を行う意味は、(1)現状を把握し、(2)問題点に気づき、(3)改善策を見つけ、(4)最善の行動を選択するという黄金のサイクルを家庭に根づかせることにあります。

でもそれだけではありません。数字とにらめっこしていると、収入を得てくれている人に対して、感謝の気持ちが湧いてきます。この会議は、全員参加のコミュニケーションの場でもありますから、リーダーのもと、一つの目標に向かって一丸となって立ち向かう、家族の絆を強める作用も期待できるのです。

「家計再建計画」において、お父さんの役割はただ闇雲に稼ぐことでも節約することでもありません。JAL再建における稲盛さんを思い出してください。

「みんなでやろう」と声を上げ、「家計を改善してこんな家庭にしたいんだ」とビジョンを語り、リーダーシップを発揮すること。そうすればきっと奇跡のV字回復と強固な家族の絆を得ることができるでしょう。

日報コンサルタント 
中司祉岐  

経営日報の赤ペン指導で売り上げを倍増させ、売り上げ日本一も輩出している。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づくなかづか日報』。
(構成=唐仁原俊博)
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