■売れる確率を高める仕組みとは
『仕事に役立つ統計学の教え』
斎藤広達/日経BP社
統計学的な話を日常的なビジネスシーンに展開して、仕事で使える考え方とテクニックを教えてくれる。企業再生コンサルタントとして活躍する著者が、営業やマーケティングなどの分野を中心に、売れる確率を高めるメカニズム、分析データの価格設定への応用などを挙げている。見やすいグラフや図表を用いるなどの工夫もされている。
■意外にも渋滞解消に役立つ統計
『ヤバい統計学』
カイザー・ファング、矢羽野 薫訳/阪急コミュニケーションズ
「統計的思考を使って、実際に私たちの生活をよくしていくやり方」を著者は、示している。たとえば、高速道路の車をスムーズに走らせる交通工学者、O-157の感染源を突き止めた医師など、統計で世の中をよくする人々が登場する。卓越した統計のプロの着眼とデータの活用で解決していくエピソードが面白い。
1967年生まれ。一橋大学経済学部卒業。外資系金融機関でデリバティブを使った新しい金融商品の開発などに携わる。現在は複雑な金融システムをわかりやすく解説するアナリストとして活躍。『金融がやっていること』など著書多数。