家賃は一括払い方式で、60歳以上は15年(1310万~2280万円)、75歳以上10年(950万~1590万円)、85歳以上7年間(720万~1180万円)の償却期間を設けている。シェアルームは、1人あたり1000万円をきる価格で設定し、エレベーターのない4階部分は、月額5万円から12万9000円(敷金2カ月)の範囲で設定されている。入居者は家賃のほかに、サポート費、共益費として5万5000円から8万2500円(2人入居の場合)を支払う。

低予算、低価格の自立型高齢者住宅/UR都市機構が所有する建物を丸ごと再生・活用する団地再生プロジェクト。入居費用を抑えるため、新築ではなく改修、地域の事業者や行政との連携で効率化を図る。1室当たり約43平方メートル。高齢者専用賃貸住宅で最も多い18平方メートルの倍以上ある。

介護が必要になった場合の安心サポートは、小規模多機能型居宅介護施設、地域の介護事業者や医療機関との連携でクリアしている。書架スペースやコミュニティキッチンなどが併設され、入居者や外部とのコミュニティが成長していく要素も加えられた。また、建物の改修工事期間中から入居希望者が参加する懇談会を何回も開催することで、入居前に隣人の顔がわかるコミュニティを形成してきた。

「人間関係を無理やり押し付けるのではなく、緩やかに繋がっていく感覚を大切にしたかった。建て替えると新参者になってしまいますが、改修された建物への入居者は、新住民として地域に受け入れられるのです」と、同社運営部、入居相談室の清水敦子さん。

「ゆいま~る多摩平の森」を手がけるコミュニティネットの高橋英與社長。

ハウス長の櫛引順子さんは「昔、若かりし頃に多摩平団地で暮らしていた方が、再びこの建物に戻ってきてくれたことがうれしいですね」と語っている。

建て替えるという選択を捨てて、改修によって住宅を再生していく。

「老後の暮らしの幸せは、生きているコミュニティに存在すると思います。けんかすることもあれば助け合いもできる。一方的に老後のお世話をすることばかり考えるのではなく、住み継ぐ発想を大事にしたい」

高橋社長は、このほかに駅前再開発事業地、老朽化した団地の再生、限界集落と呼ばれた農村地域などで同じようなコミュニティづくりに取り組んでいる。

(和田久士=撮影)
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