「教育費がかさみ、慢性的に家計が逼迫している家庭は多い。しかも、“教育費に糸目はつけない”という家庭で育った子供ほど、ニートになりやすい傾向があります」
子供が小さい頃から、親が家計の状況や生活設計などをある程度伝えていると、子供は親にできるだけ負担をかけないよう行動するようになる。しかし、「お金のことは心配しなくていい」と親が太っ腹な態度をみせると、子供の金銭感覚が麻痺し、親の脛をかじり続けることに罪悪感がなくなってしまうのだという。
畠中氏は以前から、40代以上のひきこもりの子供がいる家庭の家計相談を受けている。「中年ニート」になっても、親は子を放ってはおかないという。結局、ご飯を食べさせ、小遣いをやり、携帯代やインターネット代、国民年金などを代わりに支払う。これらが月に5万円かかったとすると、1年で60万円。大学卒業後40年間、面倒を見続けた場合、その額は2400万円にも上る。畠中氏は言う。
「お金についての教育を行うのも親の役割。子供をニートにさせない一番の近道です」
ファイナンシャル・プランナー、生活経済ジャーナリスト。『お金のきほん』『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』など著書多数。