「自画自賛力」で夢が持てる子に

最初に言っておきたいことがあります。親のあなたが、わが子のことを「三流大学に通っているからダメなんだ」とか、「どうせ無理」と少しでも思っていたら、お子さんは決して一流の人間にも大きな夢を持つ人間にもなれません。

私は大阪でいわゆる荒れた中学校の教師をしていました。多くの問題を起こす生徒を見てきましたが、「どうせダメ」と思っている子たちの裏には必ず「どうせダメ」と思っている親たちがいました。こうした親たちに私は「あんたら自分の子供を、ほんまに一流で頑張らせたいと思ってるんか。思ってないやろ」と叱ったものです。

子供に夢を持たせたかったら、まず親の自分が夢を持たないといけません。子供と夢を共有して、一緒になって「俺はダメや」とか「無理に決ってるやろ」という言葉を潰していく。それができなかったら、親失格です。

子供に夢を持たせるには「自画自賛力」を付けさせることです。親が子供を褒めることも大事ですが、子供自身が自分を褒めることで、上を向く気持ちになれます。

「自画自賛力」を付けるためのコツはただ1つ。「人生ベスト5」を思い出させることです。どんな人にも、「人生ベスト5」は必ずあります。「三流大学といっても、合格したやん」「合唱大会で褒められたやん」。5つを真剣に思い出させたら、三流大学生で、元気がなくて、自信がない者でも、「おっ、俺にもあるやん」と自信のスイッチが入るものです。

次に日誌を書かせます。勉強やスポーツ、アルバイトなど活動面で達成したことを3つ。それと、老人に親切にしたなど人間的に成長したこと3つ。毎日、計6つのいいことを書き溜めるうちに、確実に「自己肯定感」が生まれます。

日誌なんか書かないという子供には、親が毎日、話を聞いてやればいい。そして「今日もいいことあったやん」「成果が出たな」「人間的に成長したな」と褒めてやることです。これを続けているうちに、子供は必ず元気になり、自信が溢れてきます。