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返済不能でも自宅を手放さないための交渉手順

任意売却先は、住宅ローン返済者が自分で決めることもできる。金融機関の了承は必要だが、売却価格が妥当であれば、認められるケースは多い。

了承が得られた場合、親類縁者に買い主になってもらう方法がある。金銭的に余裕のある親類縁者がいれば、事情を話して、買い主になってもらい、そのまま、賃借人として住宅に住み続けることも可能だ。

もちろん、家賃の支払いは必要だが、引っ越し費用が不要であるし、これまでの生活を大きく変える必要がないというメリットは大きいだろう。

ただし、親類縁者といっても、突然、事情が変わることもある。購入後にまとまった資金が必要になれば、住宅を売却されてしまうかもしれない。そんな事態を避けるために、買い主とはよく相談し、賃借人として、住み続けることを事前に文書で取り決めておくことが重要だ。

また、数年後に収入が増える見込みがある場合などは、住宅を買い戻すことも可能だ。その場合にも、任意売却の際に、買い主と文書で取り決めをしておいたほうが安心。買い戻し価格などは、基本的には、当事者間での話し合いによって決める。

よって、スムーズに進めるためには、やはり買い主が近い存在であることが必要だ。買い主が遠い存在であれば、どうしても、心変わりするなどのリスクが付きまとう。できれば、成人した息子や娘、婿などが買い主になってくれれば、トラブルが起こる危険は少なくできるだろう。

(構成=向山勇 図版作成=ライヴ・アート)
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