以前は、公的金融機関である住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)では物件価格の8割までしかローンが借りられなかったので、2割の頭金は必須だった。最近は頭金ゼロでも組めるローンが一般的になり、あまり疑問を持たずに100%ローンでマイホームを買ってしまう人も多い。

しかし、ファイナンシャル ・プランナーの模範的なアドバイスとしては、「頭金ゼロでマイホームを買うのはやめましょう」ということになる。例えば、3000万円のマンションを購入する場合に、1000万円頭金があり、2000万円のローンを組むAさんと、全額3000万円のローンを組むBさんでは、Bさんのほうが返済リスクが高くなる。頭金で払った分には金利はかからないが、ローン部分には長期間にわたって金利が発生する。借入金額が大きいほど、返済リスクが高くなるのは当然だ。毎月の返済額が同じだと仮定すると、Bさんのほうが返済期間が長くなってしまう。