いいときに傲慢になってはいけない
【田原】これからの話を聞きましょう。さっき21世紀を代表する会社をつくりたいとおっしゃったけど、それはソニーやホンダになるっていうこと?
【藤田】社会的な影響力を持つという意味ではそうですね。
【田原】具体的にはヤフーを抜きたい?
【藤田】そういった気持ちはないですね。一時期、あるメディアに代理店の契約を切られたことが、影響力のあるメディアをつくらなくてはと思うきっかけになりました。スマートフォンが出てきて、われわれにもチャンスはあると思っています。
【田原】どういう意味ですか?
【藤田】また新しい「よーい、ドン」が始まったんです。われわれはこの2年で、会社をスマートフォン企業に入れ替えました。いま年商1600億のうちの1000億はスマートフォン。そこでトップになれる可能性があるなと。
【田原】サイバーエージェントは、アメーバと広告代理店と、あとはゲームもやってる。ほかのところへ展開するより、スマートフォン?
【藤田】そうですね。いま各部門、ぜんぶスマートフォンに替えているんですけど、その延長で、かなりの規模までいけるだろうと戦略を立てています。
【田原】今日一番聞きたかったことがある。一般的にネット企業って寿命が短いでしょう。それなのに、どうして藤田さんのところは寿命が長いのかな。
【藤田】いいときに傲慢にならないことが大事ですよね。いいときって、プライドがすごく高くなったり、けっこういろんな人を怒らせてしまう。それに、短期的な評価に満足して、長期的に手を打っておかなきゃいけないことをやらなかったりする。そういうことがないように、僕自身も戒めているし、社内でもそう言っています。
【田原】答えにくいかもしれないけど、堀江は絶頂期に傲慢だったと思う?
【藤田】うーん……。