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市場規模は12年で2倍に

ちなみに国内百貨店は約6兆1453億円(12年度。日本百貨店協会調べ)、スーパーマーケットは約12兆4631億円(同年度。日本スーパーマーケット協会調べ)だが、長期トレンドで数字は落ち込む。

ドラッグ市場の伸びにしたがい、大手各社も時にM&Aをしながら売り上げを拡大した。マツキヨを筆頭に、年間売上高3000億円超が7社を数える。それ以下でもカワチ薬品(同2317億円)などが下克上を狙う、戦国時代が続く。

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激戦の3位集団

戦国武将である各社の経営者も、もともと小豪族(小さな薬局店の主人)だった例が多い。本拠地は首都圏が多いが、愛知県のスギHD(スギ)、北海道のツルハHD、福岡県のコスモス薬品(コスモス)といった地方勢も虎視眈々と天下を狙う。

首都圏各社のうち、13年4月にセイジョー、セガミ、ジップドラッグなどが合併したココカラファイン(本社・神奈川県横浜市)は、合併前の各社の強みを生かして医薬品、化粧品にも力を注ぐ。

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主要7社の特徴分析

そもそも業界関係者以外には、ドラッグストアのビジネスモデルがわかりにくいかもしれない。基本は洗剤やトイレットペーパーなどの日用品・雑貨、そして食品を安く販売してお客を呼び込み、医薬品と化粧品の販売で利益幅を高めるのが一般的な手法だ。

医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品(OTCとも呼ばれる大衆薬)がある。薬事法改正により新設された登録販売者は、大衆薬の第1類、2類、3類のうち、2類と3類を販売できる。

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主要7社の店舗数

一方、医師の処方せんに基づいて医療用医薬品を調合するのは薬剤師で、薬剤師は1類も販売できる。

小売りの規制緩和が進み、さまざまな酒類も販売できるようになった。かつてはペットボトル飲料が目立った食品売り場も、品揃えが多様化。お客の来店頻度を上げるために、食品は魅力的な商材だ。

たとえばコスモスは食品の安売りと、「人口10万人商圏に10店」のドミナント戦略で九州を制圧。M&Aをせずに拡大してきた。食品比率が全売り上げの5割を超え、地域の食品スーパーの役割も担う。この手法を武器に本州進出を図る。