目の動きから相手の本心を探ろうとする際のポイントは、「肺肝を衝く問いかけ」をして、それに相手が「返事をする直前の目の動き」に注目することである。

肺肝とは、読んで字の如く「肺や肝のような体の奥深く」を意味する。つまり、「肺肝を衝く問いかけ」とは心の奥底にズシンと響くような質問という意味だ。そんな重い問いかけをされて返答する直前の目の動きは、正直に本心を反映してしまうのである。たとえば……。

「あなた、A子と浮気してるでしょう」
「ま、まさか、そんなはずないだろう」

こう答える直前の夫の目が左斜め下を向いたら、「感情的に困惑している」証拠だ。口では否定しても、図星を指されて「参ったな」というのが夫の本心である。

あるいは商談の場で、

「500万円でどうでしょうか」

とクロージングにかかったとき、

「うーん。持ち帰って検討します」

と言う直前に相手が視線を真下に落としたら、これは「服従」のサインだ。500万円という価格で押し通して問題ない。反対に、相手の目が真横に動けば「拒否・拒絶」のサインだから、もう少し値下げをするか、交渉をご破算にする以外に道はないということになる。

●黒目の方向別に7つの意味がある
・上――無心
・右、左――拒否
・下――罪悪感or服従
・右上――作為
・左上――追憶
・右下――当惑(理性)
・左下――困惑(感情)
※相手の目が斜め右下に動いたら「当惑」。理屈のうえで困った場合である。斜め左下は「困惑」。感情的に受け入れられない場合だ。
(写真=時事通信フォト)
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