妻の貢献を認めて謙虚な就職先探しを

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家計の見直し

妻の功績は家計にもよく表れている。全体に支出がよく引き締められていて、ムダが少ない。やや多めなのは月5万円の食費ぐらいで、これは5000円程度の削減は可能だろう。夫婦2人分のこづかい5万円は一見、多めに思えるかもしれないが、定年後の暮らしを楽しむためにある程度の支出は不可欠だ。

さらに、東山家では妻の主張に従って退職金のうち500万円で住宅ローンを完済した。このため、住居費はマンションの管理費と修繕積立金だけ。これも幸いして、毎月の支出は約24万円にまで抑えられている。

東山家の目標は、まず毎月の貯金取り崩しをなくすことだ。だが、この家計から支出削減の余地は少ない。やはり、最大の解決策は東山さんが再就職することに尽きる。

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安心老後評価表

東山さんは健康で体力もあり、まだまだ十分活躍できる自信もある。だが、現役時代の収入や役職にこだわっていると仕事を見つけることは難しい。少々条件を下げても就職先を探したほうがいい。単純にいえば、東山さんに月収11万円程度の仕事があれば、少なくとも貯金の取り崩しはなくすことができる。

ただ、現在の貯蓄額1500万円は老後資金としてやや少なめ。安心できる老後資金の目安としては、「65歳時点で2000万円」を目指したいところだ。そのためには、もっと収入を増やして、65歳までに老後資金を上乗せしたい。

家計の見直しでは、東山さんが再就職して毎月18万円の給与を得ることを想定した。年金収入、妻のパート収入と合わせて毎月31万円の収入が得られれば、貯金を取り崩すどころか、毎月8万2000円の貯金ができる。年間では約100万円、65歳までの4年間で貯金額は400万円になる。食費のほか生活費全般を見直して支出カットを心がければ、65歳時点で老後資金2000万円を達成するのも不可能ではないだろう。

●安心老後への道

1.条件を下げても就職先を見つける
2.食費をはじめ見直し余地のある支出をカット
3.年金収入だけになる前に貯金を増やす