若い世代にも「老後心配性」は多い。しかし、実態がわからないものに不安になるのはナンセンスである。その正体を見据えながら今できることを考えてみよう。

若い頃は給料日前になると財布がさみしくなり、「うちの会社は給料が安い」と嘆く日々だったのではないだろうか。だが年功序列型賃金制度によって徐々に給料が増えて、気がつけば高給取りに……。不況が続く今は実感がわかないだろうが、確かに若手に比べれば給料は多い。「それは日本の雇用環境も一種の賦課方式だからです」と社会保障論が専門の学習院大学・鈴木亘教授。

「若手のときは、働きに見合わないくらい低い給料に甘んじなければならないが、中堅からベテランになると生産性が落ちてくるのに給料は高くなる。つまり若い世代が中高年を支えているわけです」。

図を拡大
図9 夫婦ともに60歳で退職した場合

だが定年を迎えると立場は一気に逆転する。定年からの空白の期間に働くかどうかで、老後のキャッシュフローは大きく変わる(図9、10)。