一方、レンタル派のBさんの車両費はどうなるか。

カーリースは、特定の車を一定期間借りる契約だ。たとえば5年間車を借りるなら、新車購入費に契約期間中の整備費、税金、保険、リース手数料などを加えた合計額から、5年後の下取り予定額を差し引いた金額を毎月分割で支払っていく。

カーシェアリングは、複数の人が1台の車を共同使用するもので、会員登録すれば使いたいときに15分単位など短い時間でも利用できる。車の所有・維持にかかる税金、保険料、メンテナンス代、ガソリン代、駐車場代などの諸経費がすべて利用料に含まれている。

レンタカーは必要なときだけ借りられるが、こちらは数日単位などで利用するときに便利。使用料には保険料や税金が含まれており、ランニングコストを抑えて車が利用できる。

Bさんはこの3つをフル活用して、子どもの送り迎えなどで頻繁に車を使う最初の5年間はカーリースを利用。その後の45年間は、カーシェアリングとレンタカーを必要に応じて利用する。利用頻度は、普段の買い物などに週2回、3時間ずつカーシェアリングを利用(15分200円で計算)。家族旅行などでレンタカーは年3回利用する。その結果、50年間の費用は1792万円となった。

この試算に駐車場代は含まれていないので、Aさんには駐車場代月1万5000円として、50年間で約900万円が上乗せされる。だが、これを除けば、所有派とレンタルの差は339万円だ。この差を大きいと見るか、小さいと見るかは判断が分かれるが、子どもの成長やライフスタイルに合わせてコンパクトカーや軽自動車などを購入すれば、所有派でもレンタル派とさほど違いは出ないようだ。

ただし、使う頻度が少なければ、レンタル派の出費はもっと低くなる。やはり車を買うときは、利用頻度や駐車場代なども含めて判断するのが賢明だ。

(構成=早川幸子)
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