しかし、高校生は聞いてきます。なぜ、企業は難関大の学生を求めているんでしょうかと。「いい、質問だ」、私はこう伝えます。

「勉強ができるからではない。そして、受験勉強は点取り競争ではない。企業が難関大の学生を採用するのには、ワケがあるんだ。難関大合格者は受験を乗り越えるため、計画を立て、実行し、地道な作業をサボらずに頑張った。合格は、人間としてしっかり成長した証し。企業は、そういう試練をクリアした人を求めているんだ」と。

もし、小学生や中学生が相手でも、私は同じようなことを言うと思います。

驚異の急成長のために今からできること

小学生の子供が宇宙飛行士に憧れていたとします。本気で目指すのなら、「難関大出身のほうがなれる確率が高い」というデータを示せばいいでしょう。また、テレビのドキュメンタリー番組でビジネスヒーローもの、例えば(少し古いですが)「プロジェクトX」などを見て、「この巨大な橋脚をつくるには最新の技術が必要で、それを請け負う大企業の社員になりたいなら、一流の教授とハイレベルな仲間がいる難関大に入るのが近道だよ」と、道筋を立ててやると理解しやすいでしょう。

それと後から学力が伸びる子にするためには、小学生のうちから「前倒し勉強」を習慣づけるといいと思います。宿題を提出期限ぎりぎりでやるのではなく、余裕をもって終わらせる、いわば先行逃げ切りスタイルです。

大学受験の勉強を真剣に始めるのは多くの場合、高校3年になってから。しかし大学受験の勉強量は膨大です。だから高校1年から真剣に受験勉強を始め、英語は高校2年のうちに完成させるのです。勉強のスタートを早くすることで、後に驚異の急成長を遂げ、ラクラク難関大に合格できるのです。

勉強の成長曲線
勉強を始めた当初は成果があまり出ないが、勉強の量が増えるほど、成果はグングン上がる。

この論理は、y=2xの指数関数のグラフを描くとわかりやすいです(図を参照)。最初はゆっくり成果が上がっていきますが、後半は、急激にグイーンと伸びる。英語だけでなく、ほかの教科でもこの成長曲線の論理が成立します。つまり、スタートが早いほど、「あと伸び」は果てしなく続くということです。逆にスタートが遅いと学力の伸びは中途半端なままなのです。中学受験のための通塾もその成長曲線の論理で考えていくと、小学生の子供たちも「今、頑張る意味」がきっとよくわかるでしょう。

机に向かってコツコツやることが、難関大合格や憧れの仕事につながり、また、人のためになったり、安定した生活を得られることにつながると思えば、「勉強をやらされる」から「自らやる」姿勢に変化していくでしょう。

東進ハイスクールのCMで私は言っています。「戦って負けるならそれは結構。しかし、逃げて負けたら明日はないからな」。逃げないで戦うこと。やる気のない子供にもぜひ聞かせてやってほしいと思います。

(大塚常好=構成 干川 修=撮影)
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