戦って負けるならそれは結構。しかし、逃げて負けたら明日はないからな

渡辺勝彦先生
東進ハイスクール専属の講師。高校教師や、大手予備校の講師を経て、現職に。パワフルでテンポがいい授業が評判を呼んで、現在、幅広いレベルの生徒から支持をされている。『夢をかなえる速読英語長文』などの著書がある。

「勉強は楽しくやるもの」と銘打ち、勉強意欲に難ありの高校生も次々と難関大合格に導く、英語講師の渡辺勝彦先生。「合格できたのは先生のおかげ」「モチベーションを高めてくれた」という受講した生徒からの声の通り、明快な口調とテンポよい授業は大人気だ。一般人を含めた講演会では数千人規模の観衆を集めるカリスマだ。

本日のお題は、「子供にやる気を出させる方法」でしたね。私の最も得意なテーマですよ。

「目指すのは、そこそこの大学なんかではなく、難関大!」。生徒に対していの一番に言う言葉です。生徒はたいていこう反論します。「絶対無理、だって俺、頭悪いもん」と。まだ勉強をしてないのに、なぜ決めつけるのか。中学受験をする小学生でも似た傾向があるでしょうか。

私は、頭の良しあしに関係なく、誰でも難関大に合格させる自信があります。英語を楽しみながら成長させる技を持っている。それはプロの英語講師だからで、親が子供に直接教えてもそうはいきません。だから、教えるのは塾の先生に任せて、親は夢を語りましょう。「北風と太陽」のストーリーの通り、無理やり勉強させても、子供は前向きになりませんからね。

中学受験なら「難関の御三家に合格するぞ!」。現在、その射程圏内にいるかどうかはともかく、どうせならトップを目指そうと言ってください。すると、子供はなぜ御三家なのか? と疑問に思うかもしれません。そこで、将来のビジョンを子供と話し合うなかで御三家合格のメリット、そして受験することの意味を熱く語ってやるのはどうでしょう。

高校生たちの勉強のモチベーションを上げるため、私がしばしば利用するのがビジネス誌です。そこには、例えば、「出身者の年収が高い大学ランキング」のような記事が掲載され、難関大学の名前がずらりとリスト化されています。お金がすべてじゃないけれど、ないよりあったほうが、人生の自由度が増すし、大切な人を経済的に守ることもできるよ。そうやって客観的なデータで説明すると、彼らは難関大に入ること、また勉強することへのモチベーションが上がるんです。