「小泉効果は一過性」有権者は冷静に見ている
かつてない逆風の中で参院選を戦うことになった自公連立政権。参院過半数の維持すら危ぶまれる情勢に追い込まれている。
石破自民党のどこに問題があるのか。そして選挙後の政局はどう展開するのか。前回に続いて、長く自民党の選対事務局長をつとめ「永田町の選挙の神様」と呼ばれる久米晃氏に聞いた。
――東京都議選の前には、小泉進次郎農水相の随意契約の備蓄米放出で内閣支持率も自民党の支持率も持ち直したように見えましたが、結局、自民党は21議席(追加公認3人を含む。改選前は23議席)となり惨敗しました。内閣支持率も下がり続け参院選での逆風も強まっています。
小泉効果はあったんです。最初は。NHKなどの世論調査でも内閣支持率も自民党支持率も上がりました。それが2週間もしないうちに元に戻りました。つまり小泉効果は一過性のものでした。
そもそもコメ問題は小泉さんの動きが早かったから、みんなが「おおっ」となって瞬間的に支持率が上がったんですが、結局根本的な改革になっている訳ではない。そこは、有権者は冷静だったと思います。
自民党の分断は未修復
――マスコミによる参院選の情勢調査では、東京選挙区で自民党の2議席目は厳しいとされています。一方で参政党の躍進も予想されています。都議選の傾向が続いているようです。
参院選に限らず都議選のあった年の国政選挙は、都議選とほぼ同じ結果になります。今回の都議選でも自民党が惨敗した。その逆風がそのまま参院選でも吹いているということです。
――自民党内では石破茂首相や執行部への不満の声が公然と出始めました。
自民党は、本来いろんな思想や意見の政治家が集まる幅の広い政党だったのですが、いまは党内に亀裂が生まれて、これがなかなか修復できていない。昨年の総裁選の前から清和会(旧安倍派)的な人は、安倍(晋三元首相)さんの敵みたいな感じで、石破さんを徹底的に攻撃していました。これが修復されないまま今まで来ているんです。
石破さんを攻撃するのは、野党より自民党内のほうが目立ちます。参院選で石破さんに失敗してほしいと思っているのは、野党よりむしろ自民党内のほうが多いんじゃないですか。これまでなかなか石破さんを降ろせませんでしたが、これを「石破降ろし」のきっかけに出来ますから。
石破首相の言葉が響かない原因
――自民党の支持者離れが止まりません。なぜでしょうか。
心理的なものが非常に大きいと思います。石破さんをはじめとして、自民党幹部に期待感が持たれないからではないでしょうか。個々の政策じゃなくて、日本という国を、こういう風にしてくれるのだという漠然とした期待感が持てない。それを生むのはトップリーダーの個性です。

