「柳行李」のなかに服の着替えを入れて
「実は学園に入ったのは兄貴と自動車整備工場をやろうという動機だけではなかったのです。それは半分くらいで、あと半分はお金をもらって勉強ができるならこんないいことはないと思った。僕は4月生まれですから、15歳でトヨタに来て16歳から今まで53年、働いています。
来た時は東京までは東北本線で来て、東京からは新幹線のこだま号で豊橋まで来た。豊橋からは全員がDR15というトヨタのバスに乗って、夕暮れから夜に向かって国道1号線を走ってきました。学生服で丸坊主の団体です。荷物は学園がくれた大きな手提げバッグがひとつ。事前に柳行李のなかに服の着替えを入れて寮に送りました。今の人に柳行李といっても一体、何のことかわからないでしょうね。ネットで検索したら出てきますよ。
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