変化を恐れず、ダイナミックであれ

NTT西日本社長 大竹伸一氏

仕事のやり方が過去10年とは大きく変わってきている。たとえば当社の主力商品であるインターネット接続サービスの「フレッツ光」は、発売後10年ほどで契約数700万件の大台に達したが、そのぶん新規契約の伸びは落ちている。市場が飽和に近づいているからだ。

単純化していうと、これまではブロードバンドの普及に向けてひたすら走り続けていればよかった。しかし、それも一段落したいま、私たちの仕事は700万の顧客基盤に対して「どのようなサービスをお届けするか」にシフトしている。たとえばクラウドサービスや、家電と通信との融合(「家まるごとデジタル化」)、環境エネルギービジネスといったものだ。

今後はこのような新しい領域へ切り込んでいかないと、NTT西日本といえども十分な利益を確保することができない。必然的に仕事のやり方も変わってくるだろう。われわれはいま、転換点に立っているのだ。

その中で必要とされるのは、どのような人材だろうか。3つの資質を挙げたいと思う。

ダイナミックな人材であること、チャレンジ精神が旺盛であること、ミッションを大事にすることだ。

いまのような転換期にあっては、従来の発想にとらわれるのではなく、自由にどんどんクリエーティブな考えを発揮してもらいたい。それができる人を、私は「ダイナミックな人材」と呼んでいる。

平穏な時代であれば、従来の商品・サービスの改良や改善を進めることが優先され、そつなくそれに取り組める人が有用な人材だった。しかし、改良・改善では済まないのがいまである。変化を恐れず、ダイナミックに発想し行動してもらいたい。