なぜ少子化対策の効果が出ないのか
少子化対策の話に入る前に、まず地下クイズを一問出しますね。「マッチングアプリのTinderを使っているときに、気に入った異性を見つけたら次の瞬間に行う動作は何?」
このクイズに答えられなかった人はこの記事を読む必要があります。日本の少子化対策について認識が古い可能性が高いからです。それでは本題に入らせていただきます。
国内で生まれた日本人の子供が2024年に初めて70万人を下回りました。出生率(合計特殊出生率)は1.15で、1947年以降で過去最低の数字です。
こども家庭庁の年間予算は7.3兆円で、うち3兆円が子ども・子育て支援特別会計に振り向けられています。少子化対策基本法が施行されて以降の2004年からの累計総額で66兆円を超える政府予算が投入されているにもかかわらず、結果が出ていない。またきちんとした検証もなされていないということで、国民の間に少なからずの不満が生じています。
特に来年4月から始まる「子ども・子育て支援金」は社会保険料の上乗せになることと、独身者は徴収だけされて恩恵がないことから「独身税」などと揶揄されています。
そこで、
「いったいなぜ、政府の少子化対策は効果がないのか?」
疑問を持つ国民が増えています。
先進国全体で出生率が下がる傾向は顕著
ひとことで言えば、常識的な少子化対策は無理筋だというのが私の基本認識です。日本だけではなく先進国全体で出生率が下がる傾向は顕著です。ですから今のままの方針で突き進むと、効果が出ないままで予算だけが膨らむというよくない状況に陥る危険性があります。
そこでこの問題について、非常識だけれど少子化に歯止めをかけられる対策は何なのかを考えてみたいというのが今回の記事の目的です。
今回の記事についてあらかじめ2つのことをお断りさせていただきます。ひとつめに、そもそも家族をどうしていくかを考えることは個人の自由です。個々人の事情も当然あります。ここではあくまで社会全体として、どうすれば子どもの数をもっと増やすことができるのか、マクロの議論をさせていただくということでご了承ください。
もうひとつは正面からの国の施策がここまで功を奏していないことから、検討すべき施策は国が考えないような異次元のものになる可能性があります。言い換えると社会通念上きわどい話になるということです。
この記事ではそのような視点で、従来あまり議論されていない以下の3つの説を3ステップで検討しながら、なぜ少子化問題が解決しないのかを考えてみたいと思います。
仮説1:子どもが贅沢品になったから説
仮説2:マッチングアプリが解決につながる説
仮説3:シングルマザーを支援すれば状況が良くなる説
それでは検証に進みたいと思います。