「煩悩を捨てろ」「無心になれ」とはいうものの、なかなかできるものではない。頭をからっぽにすると何がいいのか、そのためにはどうすればいいのか。
座禅をしている日本の僧侶
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自分を縛るものを減らしていく

目の前にお茶が入った湯飲み茶碗があるとします。でも、あなたは無性にコーヒーが飲みたくなりました。そんなとき、残っているお茶の上からコーヒーを注ぐでしょうか。しませんよね。まずするのは、器をからにすることだと思います。

「頭をからっぽ」にするというのも、同じこと。例えば「私はこうだ」「自分はこう思う」という考えでいっぱいの心でもって人の話を聞いても、それは混ぜ物にしかなりません。もしもいい話だと感激したとしても、それはただ自分が思っていることと合致していただけ。反対に、自分と意見が合わない人の話は、全部だめとなりやすい。何事も受け入れるには、まず自分をゼロにすることが先決となるのです。

ゼロにすれば、あとは何でも入ります。お茶の代わりにコーヒーを入れる。あるいは水でもビールでも、何でも入れることができます。でも大体の人間は、「自分はこう思う」といったいろいろな思いにとらわれています。例えば「この器は湯飲み茶碗で、ビールを入れるものではない」などと言う人がいるから、話がややこしくなります。