地方が地盤沈下していると言われている昨今。地方創生に成功している都市の共通点は何か。漫才師でありDJのダイノジ大谷ノブ彦さんと鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長との対談をお届けする――。

※本稿は、鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 19杯目』の一部を再編集したものです。

医療チーム
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです

子どもに媚びないから、子どもがノリノリにになる

【武中篤(鳥取大学医学部附属病院長)】昨年6月の『とりだいフェス 2024』ではお世話になりました。病院の中庭で行なったダイノジの“キッズディスコ”。

大谷さんがDJとして曲をかけて、相方の大地(洋輔)さんたちダンサーが踊る。どんなふうになるんだろうって行ってみたら、大盛り上がりでびっくりしました。

【大谷ノブ彦(漫才師、DJ)】最初はまず子どもたちが知っている、踊れる曲をかけます。今の子は自分の得意な曲があって、踊った映像をSNSに上げているんです。あっ、これは私の出番、みたいな感じで踊り出す。

吉本興業所属の大谷ノブ彦さん(左)と鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長(右)
撮影=七咲友梨
吉本興業所属の大谷ノブ彦さん(左)と鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長(右)

【武中】最初から子どもがノリノリで上手に踊っていましたよね。大谷さんたちが連れてきた子じゃないかと疑ったぐらい(笑)。

【大谷】仕込みじゃないです(笑)。子どもが普段聴いている音楽も大事なんですが、ずっとそれだけじゃない。その後に、お父さんやお母さんの馴染みのある90年代の曲をかける。子どもに媚びない。そうした曲でも子どもの身体は動いているから、ついてくる。違った年代の曲を混ぜながら、ダンサーたちと平和な空間を作っていく。

【武中】ダイノジのチームで印象的だったのが、大地さん、ダンサーの方々が楽しそうだったこと。あの女性の方はプロですか?

【大谷】(大笑いして)プロは1人もいないです。

【武中】えっ、そうなんですか? すごくキレのいい踊りでしたよ! そもそも大谷さんがDJを始めたきっかけはなんだったんですか?

【大谷】2002年にダイノジとしてM-1グランプリの決勝大会に進出しました。しかし、そこで8位に終わってしまった。その後も出続けたんですが、M-1には〈結成10年以内〉のコンビというルールがあったんです。ぼくたちは出られなくなってしまった。

ぼくたちは、これまでのお笑いの先輩たちがやらない何かをできないかとずっと探していたんです。そんなときDJを振られた。やってみたらものすごく盛り上がった。