なぜ突然アレルギーは発症するのか。鳥取大学病院耳鼻咽喉科頭頸部外科の中森基貴さんは「空気中のアレルゲンに反応する花粉症の患者が年々増えている。スギに関して前年が暖かくて乾燥していると、翌年の花粉量が増える傾向がある。花粉が飛ぶ量が多ければ多いほど、身体に取り込まれて、発症につながる可能性が高くなる」という――。
※本稿は、鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 20杯目』の一部を再編集したものです。
「免疫」と「アレルギー」の相関関係
“アレルギー”はもともと医学用語ではあるが、〈ある物事を頭から拒否する心理反応〉という意で使われる、身近な言葉でもある。しかし、医学的な見地では、未だ未解明の部分が多いというのは、とりだい病院第3内科診療科群(呼吸器・膠原病内科)の教授である山﨑章だ。
「アレルギーとは生体にとって、外界から来た何かしらの物質に対して、過剰に反応する状態です」
アレルギーは、我々の身体になくてはならない「免疫」と密接な関係がある――。
免疫とは、身体に侵入した「外界から来た何かしらの物質」、つまり「異物」を攻撃するシステムである。しかし、免疫がすべての異物を攻撃すると、人間は生存できない。毎日食事という形で、異物を口から取り入れているからだ。
そこで我々の身体には、口から入る異物に対して反応しないよう、免疫を抑制する「経口免疫寛容」という仕組みが備わっている。ある種の食べ物に対して経口免疫寛容が働かず、免疫が反応してしまうのが、食物アレルギーである。
アレルギーが起こるのは食物だけではない。
「良く知られているのはスギ花粉、ハウスダスト、ダニ」
例えば、と山﨑は室内を見回した。
「この部屋にもダニがいるはずです。ただ、ダニに対して全員がアレルギーを起こすわけではありません」


