健康診断や人間ドックで腎臓病の可能性を指摘された場合、何科を受診したらいいのか、悩まれる方がいるかもしれません。

答えは「腎臓内科」です。腎臓内科は、腎臓の機能を維持・改善することを目指し、急性腎障害(AKI)、慢性腎臓病(CKD)、透析などを扱う診療科です。近くに腎臓内科がない場合は「内科」へ行くといいでしょう。まんべんなく全身の状態を診てもらえます。「泌尿器科」も腎臓結石や腎臓がん、腎盂腎炎などの腎臓疾患を診てくれますが、健診で指摘される多くは慢性腎疾患なので、やはり腎臓内科ということになります。

患者の検査をする医師
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いきなり「透析専門病院」に行くのは気が早すぎます。人工透析は腎機能が正常の10%未満になってしまったときの治療法ですから、そうした事態にならないよう腎臓内科で病気を早期発見・早期治療してもらいましょう。「総合病院」でも、腎臓内科も透析室もない施設もあるので受診前に確認するようにしてください。

ネフローゼ症候群を起こして全身に強いむくみがあらわれたり、血圧が急上昇したりした場合には、緊急入院もありえます。その場合は入院病床があって、腎臓内科もある総合病院を選択するといいでしょう。透析専門クリニックは通常入院病床を持っていないので、緊急入院が必要な事態になった際に病院との連携が可能かどうかもチェックしておきたいところです。

各施設の専門性を判断する目安としては「透析専門医」と「腎臓専門医」の有無があります。透析専門医は、患者さんの合併症や偶発症に迅速に対応できる知識と高い技術・技能を取得し、全国の透析施設すべてに1名以上勤務することを目標に、日本透析医学会が制定したものです。腎臓専門医は、腎生検から内服・注射治療までを行い、さらにはCKDから透析療法までの幅広い知識と経験を有した腎臓のエキスパートで、日本腎臓学会が定めた資格です。

なぜ「長時間透析」を導入する施設が少ないのか

透析はどこで受けても同じだと思っているとしたら、それは大きな間違いです。どんな施設で、どんな透析を選ぶかによって、予後はだいぶ変わってきます。

透析といえば血液透析(HemoDialysis 以下・HD)のイメージがありますが、それ以外の透析療法もあり、患者さんによって合う合わないもあります。そう考えると、選択肢を多く提示してくれるのはいい病院と言えるでしょう。なお、医師は自分のクリニックで行っていない療法を説明しない傾向があります。

それでは、どのような療法があるのか。近年注目されているのが「長時間透析」です。一般的なHDは、1回4~5時間、週3回、週の時間にして12~15時間行います。対して、1回6時間を週3回、週の時間にして18時間以上行うのが長時間透析です。

生体の腎臓は365日24時間働き続けているのに対し、HDでは人工腎臓が週12時間の場合、1週間の7%分しか働いていません。体に蓄積された尿毒素や水分の除去が十分に行われないため、さまざまな合併症が起きてしまうことがあります。尿毒素や余分な水分の除去は、短時間よりもできるだけ時間をかけて行ったほうが、緩やかにより多くできるし、体に優しい。合併症の減少だけでなく、貧血や栄養状態の改善効果なども期待できます。

ただし、長い時間を確保するのは、仕事を持たれているような患者さんにとっては大変な負担です。そこで「オーバーナイト透析(深夜透析)」と呼ばれる、深夜帯の睡眠時間を利用して行う長時間透析があります。夜間の就寝中に一晩かけて尿毒素や水分がゆっくり除去されるため、十分な透析が無理なくできます。施設でのHD中、看護師や臨床工学技士の巡回や医師による回診はもちろん、管理栄養士による栄養相談を受けたり、読書をしたりテレビを見たり、ベッドに寝ながらエルゴメーター(運動負荷をかけてトレーニングする自転車型の器具)やベルト電極で下肢運動をしている方もいます。体調やQOL(生活の質)が良好に保たれるため、患者さんの満足度も高い特徴があります。