備蓄米放出では下落は見込めない
政府は3月、コメの価格高騰を落ち着かせるため、“消えた”とされるコメと同量の備蓄米21万トンを放出した。しかしスーパーなどの店頭に届いたのは全体の約1.4%にとどまり、コメ不足感の解消と価格下落には至っていない。
私は各メディアで、備蓄米の放出をしたとしても一時的に価格が1割下がる程度で、劇的な価格下落は見込めないだろうと主張してきた。コメ不足の根本的な解決とはならないからだ。農林水産省や政府関係者の一部に「備蓄米を放出すればコメの価格が下がる」と信じて疑わない人たちがいるようで、それが事態を悪化させているように思えてならない。
簡単な例で考えるとわかりやすいだろう。たとえばコメを集荷業者Aが3000円で買い付けたとする。それを卸業者Bは価格上昇に応じて3500円で買い取った。となれば、卸業者Bは3500円以上で売らなければ赤字になってしまう。なおかつ来年もコメ不足が続くとわかっている状況なのだから、仕入れ価格以下で販売しないのは当然の話だ。一部の専門家が「備蓄米が流通すればコメの価格が下がる」と大真面目に主張していたため、そう信じてしまうのは致し方ない話なのかもしれない。
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