2025年4月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。政治・経済部門の第1位は――。
▼第1位 備蓄米が消えていく…「コメの値段は下がらない」備蓄米の9割を"国内屈指の利益団体"に流す農水省の愚策
▼第2位 やっぱり「消えたコメ」はありませんでした…「コメはある」と言い続けた農水省の姑息すぎる"手のひら返し"
▼第3位 日本は関税を下げる「最強の切り札」を持っている…トランプ大統領が喉から手が出るほど欲しい"日本の技術"
▼第4位 トランプ関税の"最大の犠牲者"はアメリカ人…米紙が報じた「日本車に勝てないアメリカ車」の不都合な真実
▼第5位 新宿区では「11億円の税金」が日本人の負担に…全国で常習化する「外国人の診療費踏み倒し」を放置していいのか
備蓄米放出後も価格上昇が止まらないワケ
備蓄米を21万トン放出しても、コメの値段は下がるどころか上昇している。
農水省の調査でも13週連続して値上がりして3月末には5キログラムで4206円に高騰している。1年前の2000円程度の水準から倍増である。とうとう石破総理の指示で、農水省は7月まで10万トンずつ備蓄米の放出を行うことを決めた。私にはマスコミからこれでコメの値段は下がるのかという問い合わせが来ている。
私の答えは、「3400円くらいには下がるが、それ以下にはならないだろう」というものだ。エコノミストの株価や為替の予想と同じで当たるかどうか分からないが、根拠を示しておこう。
私は昨年から、今回の米価上昇は、24年産米を昨年8~9月に40万トン先食いした結果、本来同年産が供給される24年10月から今年9月までの供給がその分減少したからだと説明してきた。
現に今年の2月まで民間の在庫は前年同月比で40万トン程度減少している。政府が既に放出した21万トンに加え、4月、5月に10万トンずつ放出すれば、40万トンの不足は解消される。消費者が購入するコメの値段は1年前の2000円程度まで下がるはずである。
しかし、既に21万トン放出したのにコメの値段は逆に上昇している。備蓄米を追加放出してもコメの値段は下がりそうにない。
それは、農水省の備蓄米放出に米価を下げないカラクリが巧妙に用意されているからだ(「この人に任せればコメ価格は下げられる…農政の専門家が名前をあげるJA農協にメスを入れられる唯一の人物」参照)。

