仕向け地別の輸出額(当社試算の季節調整値)をみると、米国向けが減少に転じた一方、ASEAN向けは増加を続けた(図表2)。4月以降の更なる関税引き上げに対する懸念から、迂回輸出の拠点とされるASEAN向けを中心に駆け込み輸出が発生した可能性がある。

【図表2】中国の輸出金額(仕向け地別)

一方、不動産市場の調整は継続

このように、政策効果や駆け込み輸出が1~3月期の成長率の押し上げに寄与する一方、不動産市場の調整は継続しており、景気が自律的に回復しているとは言えない状況である。

中国の不動産市場は、政府によるバブル抑制策を契機に、2021年半ば以降、調整が長期化している。デベロッパーの資金繰り悪化→住宅建設・引き渡しの遅延→人々の住宅購入意欲の減退→住宅販売不振→資金繰り悪化……という悪循環が発生、2024年の不動産販売面積は2021年対比で半減、不動産開発投資額も約3割減少した。